冬の夕空
  エピローグ
 
 夢をみていた。
 すごくいい夢だった気がする。
 ここはどこだろう?
 夢の途中かな……? それとも……。

 私は自分の部屋のベッドの上で、ミシェルの腕に抱かれていた。
「ん……。わたしいま寝てた……?」
「眠るといい。ずっとここにいるから」
 彼が私の髪をそっとなでた。
「なんかもったいなくて……」
 私は彼の腕を握って言った。
 彼はやさしく微笑んだ。
「わたしのこと好き?」
 私がそう言うと、彼は少し笑った。
「何度も言った」
「聞きたい」
 彼は私をぎゅっと抱きしめた。
「好き。すごく好き」
「うれしい」
 私は彼の手をさがしてぎゅっと握った。
 部屋の中はもう薄っすらと暗くなっていた。
「だいぶ暗くなってきたね」
「もうそろそろ日が暮れる」
 彼は私の唇にそっとキスした。
「ありがとう」
 私は彼の瞳をみつめて言った。
 彼は少し微笑んだだけで何も言わなかった。
 私は涙が落ちないように目を閉じた。
 
 夢の続きをみるために……。

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written by nano 2008/02/13

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